関学生番組B-1「みんなで創る幸せ」
自分達は「地域に密着した企業」に焦点をあてるのが狙い。そこで株式会社フェリシモの吉川さんをインタビュー対象にした。
皆さんは、「コミュニケーションビジス」という言葉を聞いたことがあるだろうか?フェリシモは、ただの通販というビジネスをしている会社ではなかった。お客様やマスコミなどの外部のビジネスパートナー、そして社員同士でのコミュニケーションを大切にしている会社であることがわかった。すなわちこれがコミュニケーションビジネスである。
一般的な通信販売との大きな違いは、一方的に消費者に品物を販売するのではなく、消費者の意見を取り入れ、商品に反映させる事で、より消費者のニーズにあった商品を提供する、つまり通信販売というツールを使った双方向のコミュニケーションをも行う事業なのだ。
フェリシモは阪神淡路大震災の時に本社を大阪梅田から三ノ宮へ移動した。なぜそのような時期に本社を移動させたのか。この事を、経営企画部コーポレートコミュニケーショングループのグループリーダーの吉川さんにお伺いした。
Q1なぜあえて震災の時に本社を移動させたのか?
95年9月20日に引越しを行ったのだが、実際は前年に引越しをする事は決まっていて、2月から引越しを始めようと決めていた。しかし、震災があり引越しどころではなくなり、引越しは延期になった。その間、大変な震災被害があったので反対の意見もあったが、結果として本社引越しは行われた。
本社を神戸に移した理由はいくつかある。その中でも神戸の持つイメージ、神戸という都市の持つブランドの力が大きい。海、山、港などがある神戸を嫌いな人は誰もいないはず。特にフェリシモはイメージを重視する業態なので、この神戸のイメージはプラスに作用するのではないかと考えた。
Q2 震災の被害にあったお客様になにか支援されたのか?
この震災で、お客様を始めとし、従業員の家族、取引をする企業といったビジネスパートナーなど様々な人が被害にあわれた。まず、緊急の義援金を兵庫県、神戸市、日本赤十字社に送った。また、救援物資を直接被災地に届ける活動もした。
そして、カタログで通信販売を行っているので、全国のお客さんから多めにお金を頂く事があった。これはもちろん神戸の企業→神戸の支援に使ってという意味。
しかし、ただ県や市に義援金を送るだけではどういう方法で使われているのか分からない。また、善意のお金が自然と集まり始めた事もあり、支援の仕方を考え直す必要があった。その様な理由から、お客様に毎月のお買物のついでに100円募金して頂くという「毎月100円運動」を始めた。この活動により、6年半で4億円もの大金が集まった。
しかし、これはフェリシモのお金でなくてお客様のお金なので、何に使ったのか報告する義務があった。だからお金の使い方もお客様に聞き、使い道を決めた。すると、「子ども、お年寄り、障がい者、外国人、ペット・生き物、植物」 を優先に使って欲しいというリクエストがあがった。そして、満遍なくそのような人々に使ってもらえるように、当時の避難所、街づくり協議会、NGO・NPOに支援プロジェクトを委託し、行ってもらった。そして、そのプロジェクトの報告をお客様に行っていった。
関学生番組B-2「みんなで創る幸せ」
正井が司会を担当し、前半のインタビューに対する意見交換。
中塚 フェリシモが神戸に本社を移転したのは、震災が直接理由ではなく、神戸がもつ魅力があったからだった。
正井 フェリシモ自体が震災の被害を受けて大変だったのに、そこで皆の支援ができたのはすごい。
中塚 「神戸」という地域を大切にしていたのですね。
あと顧客への毎月の100円義援募金依頼をした話しがでていた。震災の支援にはフェリシモだけではなく、フェリシモのお客様も携わっていたとわかった。
正井 お客様が支援に携わっていた話は驚きだ。震災の支援はお客様との繋がりがあってこそできた!それは吉川さんのいうコミュニティビジネスと繋がった!
中塚 お客様がフェリシモを信頼していて、フェリシモさんならやってくれるのではないかという思いがあってこそ、100円を募金できたと思う。
正井 確かに100円という金額は手軽。商品を買った時に一緒に払うシステムは顧客の気持ちも楽。
中塚 商品を買った時に払う事ができたら、”募金”として改まった形で捉えなくて本当に気楽だ。
北海道や沖縄というと遠い場所からでも、気持ちがあったら募金できるのがいい。
正井 次は、フェリシモがお客様や地域の方々とつながりを作ったいくつかの活動のインタビューです。
Q1 特定の地域とのかかわりはあるのか?
神戸には本社があるので、兵庫県、神戸市、神戸商工会議所、神戸経済同友会などのいろいろなプロジェクトに参加したり、一緒にさせてもらっていたりする。
神戸市はデザイン都市になっていこうという構想を発表しているのでそのお手伝いもしている。デザインを使って街づくり、街おこしをしている。幅広い捉え方をしていて、会社経営をデザインしたり、神戸市の環境に対する考え方をデザインしたりしているのも、その一つである。神戸市や神戸商工会議所の街づくりを考える委員会にも参加している。
また、普段のコミュニティー講座、学校のようなものもしている。
ハッピートイズといって、ぬいぐるみを作ってもらってルミナリエの時に下で飾っている。フェリシモが毎年、「ネズミ」や「ウサギ」といったテーマを決めて、フェリシモは型紙を作るだけで、それをお客様に買ってもらう。そしてお客様の家にある布でぬいぐるみを作ってもらい、それをお客様に送料を払ってもらいフェリシモに送ってもらう。それをルミナリエの時に、大きなクリスマスツリーをおいてその下にこれらのぬいぐるみを飾る。そして翌年に、国内や国外のこれらのぬいぐるみを必要としている子どもたちにプレゼントとしてあげるのである。
これは儲かる事業ではないが、続ける事ができるお客様参加のよい事例であると思う。
文学賞という、テーマを決めて原稿用紙5枚分以内の短い小説をお客様から募集をする企画がある。そのなか何本か作品を選び毎年本を出版している。これは、生活者にステージを提供したり、日常生活にちょっとした喜びを感じてもらったりできるサービス、商品、事業を提供する事を目標にしているフェリシモの活動の一環だといえる。
ちなみにこの企画の最優秀賞の人には、本社に来てもらい全社員で御祝するようになっている。
また、95年からインドの森基金で募金をしている。なんとずっと禿山だった山におととしの暮れに18頭の象が戻ってきた。90年の時は誰一人として象が戻ってくるとは考えていなかった。これは、お客様1人だけ、フェリシモだけ、インドの人だけではできなかった事である。このように皆が協力してできたというのは、未来を作り出したという結果になる。フェリシモは、未来をつく出す流通業を目指しており、皆で高めあい、未来をつくっていこうという姿勢を持っている。
他には神戸学校というのもあり、運営はすべて社員が行っている。普段お客様と接客する機会が少ないのでよい機会になっている。
司会 川口、田中
川口 まちのデザインとは、フェリシモだけではなく神戸市や地域のみなさんと作り上げる事だった。
田中 ハッピートイズは心に残った。
川口 儲かる事業ではない事も、地域とのつながりを作るためには行う。
田中 インドの植林事業でもフェリシモだけが作ったのではなく、みんなで未来を幸せを創った。
フェリシモにいっての皆の感想
会社のロケーションが三ノ宮で、ビジネス街の真ん中にオフィスがあってかっこよかった。そして事務所のデザインがおしゃれで事務所のような感じじゃなかった。インタビューをした部屋もとてもきれいなところだった。吉川さんは、優しく男前でしゃべりがとても上手だった。
今回の番組のテーマは「みんなで創る幸せ」。
この「創る」という漢字は、フェリシモが行っているデザインする、「まち」をクリエーションするというところから頂きました。
放送日時:2008年8月19日火曜日13:00〜
取材対象:吉川公二さん
取材場所:フェリシモ神戸本社
プロデューサー:川口
ミキサー:中塚
スタッフ:正井
スタッフ:田中

