
2009年12月22日火曜日
担当関西学院大学総合政策学部山中ゼミ越久敬人さん
若者によるムーブメントの重要性と未来~HIPHOP文化が鍵となるか!?動け若者達〜』
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12月に入り、学生達は旅行の計画を立てている頃でしょう。
今回の番組はそんな学生のみなさんや、社会の若者達が主人公です。
世間で、現在の若者達は行動力に乏しい、消極的だと言われていますが、この番組では、そんな若者達の中でも、HIPHOP文化を通して活動を続けている若者に焦点をあて、僕を含める若者達が今後どう動いていくかを考えていこうと思います。
なぜ僕が、今回のテーマに対して、HIPHOP文化が鍵になると考えたかという理由は2つあります。
一つ目は、HIPHOP文化自体が、若者がムーブメントを起こした結果、社会に影響を与え続けているものの歴史的な成功例と言えるからです。
HIPHOP文化とは、アメリカの黒人を中心とした若者達が、自らの苦境や葛藤を表現する中で生んだ文化で、主に4つの文化で構成されています。
RAPという言葉を操るMC、スプレーを用いて独特の絵画を描くGRAFITII、レコードを回し新たな音を作り出すDJ、そしてその音に合わせてダンスを踊るBBOYING、この4つの文化でHIPHOP文化は構成されています。
1980年代後半から急激にHIPHOPは世界中に広まったのですが、その影響は格差社会や人種差別の問題の解決にまで影響を及ぼしたといわれています。
僕は小さい頃からHIPHOPを聞いていた影響もあり、大学生の時にストリートダンスを始めました。
ストリートダンスは、HIPHOP文化のBBOYINGが派生してできていったものです。
その中で私は素晴らしい趣味を与えてくれたストリートダンスに感謝の意を表すため、ダンスシーンに貢献しようと思い、イベントをダンス仲間と共に立ち上げましたストリートダンスは社会の中でまだまだマイナーなものなので、人々に理解してもらうのは困難でしたが、活動を続けていくうちに、多くの人とつながり、少しずつ僕の話に耳を傾けてくれる人も増えていきました。
HIPHOPは僕に、行動を起こすことの大切さと、思いを形にして発信することの面白さを教えてくれたのです。
今回は、そんなイベント活動の中で出あった、HIPHOP文化の中でもMCを通じて、神戸を中心に活動を続けてきたTSURU君と、僕と一緒にイベント活動を続けてきたダンサーの川村昂司君にインタビューをしてきました。
2人とも同世代で、よく一緒に遊んだりする仲なのですが、現在の若者問題をどうすれば解決できるかということについて、3人で熱く語っているのでどうかお聞きください。
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今回インタビューに協力してくれるお2人を紹介します。
MC KCRANEの名で神戸でMC、つまりRAPを用いて活動を続けてきたTSURU君、そして僕と一緒にダンスシーンを盛り上げる為のイベント活動を行ってきたHIPHOPダンサーの川村昂司君です。
2人ともHIPHOPを始めたきっかけは、当時かっこいいと思ったからという単純なものでした。ですが、続けていくうちに熱中していき、HIPHOP文化を通じて神戸という街を自分達の世代で盛り上げていこうと思ったそうです。
質問1.現在世間でよく言われている、若者の行動力の乏しさや積極的の無さを、普段生活する中で感じますか?
2人の回答:
とても感じています。みんなこだわりを持つこと、自分の知らない世界に飛び込んでいくことに恥ずかしさを感じているように思います。それどころか、壁を作る人が確実に多くなっている気がします。
質問2.その原因とは何だと思いますか?
3人(僕と川村昂司君とTSURU君)の対談の結果:
原因としては2つ考えられると思います。
1つ目は、何かに熱中している人達や、ムーブメントを起こしている側の人達が、価値観の押し付けになるのを恐れて、無意識のうちに伝えるのをセーブしている可能性があることです。
体験と伝達のバランスを考える必要があると思います。
2つ目は、何かに熱中している人達や、ムーブメントを起こしている側の人達が、きちんと思いの背景の部分を伝えれていないことです。
ダンスで言えば、どんな風に練習していて、どんな思いで踊っているかを伝えないといけないということです。
そこを省いてしまうと熱狂しているところしか伝えていないので、きっと伝えたい相手は恐怖心を持ってしまうかもしれません。おそらくそれがHIPHOP文化のムーブメントが広がりにくい原因になっているのでしょう。
質問3.現代の若者達が変わっていくためには、具体的にどう行動すべきだと思いますか。
何か熱中できるものを見つけることが一番早い解決策だと思います。そうすることで人とのつながりが生まれ、他人からの新しい知識を得ると共に、違った価値観があることを知る機会を得やすくなると僕達は考えます。
でも現実はそれができない人が多いので、何か自分の中での情報を得るマストアイテムをひとつ減らしてみるというのもいいかもしれません。
たとえば、自分の部屋からテレビを消せば、自ら情報を得る手段を他に頼る必要性が生まれ、読書を始めれるでしょう。
これらの解決策が、正しいかどうかはわかりませんが、こういう自分達の問題を自分達の問題ときちんと捉えて考えていく機会を持つことが大事な意味を持ってくると僕達は思います。
これからもこのような対談を、今度は下の世代も巻き込んでもっとやっていきたいと思いました。
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インタビューと対談を聞いていただいたわけですがいかがだったでしょうか。
友人達と真剣に自分達の世代の問題について考える機会なんてほとんどないので、非常に楽しく話し合うことができました。
今回の対談の結果、僕達が僕達の世代の問題に対して出した解決策は大きくわけて2つです。
1つ目は、僕達HIPHOP文化に関わっている人々もそうですが、ムーブメントを起こそうとしている側の人達が、ただ思いを伝えるのではなく、どうすれば相手に壁を作らず体験させてあげることができるかをきちんと考えながら、伝えることを続けていくことです。
そして2つ目は、考える機会や何かに熱中する機会を自ら作り出す為に、自分の中でのテレビやパソコンなどの情報を得る為のマストアイテムをひとつ消してみることです。
この2つの解決策が、果たして効果的かどうかは、僕達にもわかりません。ですからこの結論に賛成していただく必要はありません。
ですが、この番組を通じて、「私も何かはじめてみようかな」などと何かについて熱中する機会、真剣に生身の人間と触れ合いながら考えてみる機会をもってくれたら、すごく嬉しいです。
僕自身今回の対談を経て、自身のムーブメントを考え直す機会を得ることができました。そしてここで学んだことをさらにもっといろいろなことに活かしていこうと感じました。
番組の冒頭で、私は「HIPHOPが若者達を動かす鍵になるか」と述べました。
文字通り、僕にとってはそのきっかけはHIPHOPだったのです。
そしてそれを通じて、先ほどインタビューに協力してくれたTSURU君や川村昂司君などとつながることができ、彼らから多くを学んで、チャレンジ精神も養うことができました。
みなさんもスポーツやアニメ、なんでもいいですから、何か熱中できるものを見つけ、それを通じてムーブメントを起こしていってほしいと思います。
この番組がそのきっかけになれば、幸いです。
番組を通して、「現代の若者は‥」などとえらそうに言ってきましたが、私もまだまだ知識も経験も浅い若者です。
みんなでできることから少しずつ始めて、社会を元気にしていけたらいいですね。
では長くなりましたが、そろそろ番組終了の時間となりました。
この番組をお送りしたのは、関西学院大学総合政策学部4回生の越久敬人でした。
最後まで番組を聞いてくださり、どうもありがとうございました。